食えなんだら食うな 関大徹
- 2019.06.05 Wednesday
- 23:48
「食えなんだら食うな」関 大徹
絶版の本が、執行草舟さん、清水克衛店長、ごま書房新社さんのお力で復刊されました。
名著ともも言われています。
大事だと感じたことを抜粋しました。
P78「無償の行為こそ『徳』である」
徳は、無私でなければならない。
無報酬でなければならない。
例、巨額の資産をなしている人が100万円を投じたのと、貯えらしき貯えもない人の千円と、どちらが尊いか。
P87 豊臣秀吉は、遺児の秀頼のために、東洋一といわれる金銀と城塞を残して死んだ。金銀による軍事動員力を叩くために、徳川家康は
大阪城を攻め、ついでに秀頼母子を滅ぼした。もし、秀吉に仏教的な思想があれば、金銀を天下のためにばらまき、秀頼と豊臣という
新興公家として京都の片隅にでも置いたであろう。
人間、本来無一物である、みんな赤ん坊の初心にかえればいい。「無一物中、即、無尽蔵」
P106 子供のときこそ鍛えよ
幼稚園の子どもが、落ちてきた雀を、ひねり潰そうとしたのである。
その子の首根っこを、摑まえた。子どもは、手の雀を放した。
仏教では、「識」という。人生の根源を認識することであり、心が対象を認識する作用である。
識とは、知るの意である。
大事なのは、体罰とは、断じて「報復」でないということである。
子どもの悪さが、大人を困らせたからといって、カッと逆上して、思わず手の出るのは、これは「報復」である。
子どもに『識』といて植えつけるには、言葉で補いきれない場合もあり得る。
生徒が教師を殴る事件があった。
この子の幼児期にめぐりあった先生が、よほどいい加減だったのだろう。全身全霊で生徒をたしなめねばならぬとき、見て見ぬふりをしたのだろう。
まともな教育を受けた子なら、成長とともに人生、体力の強さだけではないという素朴な道理に眼が開けれるであろう。
P113 「心」を与えるのが母親の役目
・・・
「もの」ばかりに目が奪われていた悲劇。
P120 子供の問いかけをおろそかにするな
4、5歳の幼児は、知能の発達が著しい証拠に、大人の想像もつかぬような質問を発する。
問答・・・
P134 「陰徳」は人に見せるものではない
・・・
陰でこっそりさせて頂く徳である。
P162 一流大学を出なくても、立派に人間らしく生きている人がいるという平凡な事実とが、わかったのである。
P180 「心眼」 よけいに肉体の眼はひらいていても、まるでものが見えていない人たちを気の毒に思う。眼は見えていても、それをたしかに自分の内部へとらえる心が曇っているのである。仏教では、三毒の煩悩という。貪欲(どんよく)・瞋恚(しんに)・愚痴(ぐち)である。
あれも欲しい、もっと欲しい、安楽にしたいという貪(むさばり)りの心。貪欲。自分は間違っていないにに、あいつがいけないという身勝手な怒りの心(瞋恚)。自分の運命は自分で背負っていかねばならないのに、それは誰かの責任のように愚痴る心(愚痴)。
P210 ごはんのいただきかた。上の方は、仏・法・僧の三宝。中の方は、父母、あらえる因果のある人々、国家、仏法の四恩に感謝。下は、
地獄・飢餓・畜生・修羅・人間・天上の六道の人々を供養せんがため。
P226 戦争、富山の襲撃。B29編隊のとった非人道的な行動はわからない。老人や婦女、これらは襲撃ではなく、虐殺であり、なぶり殺しというものであろう。
P240 ・・・本来「志」とは、そういうものである。
何度も言いますが、本は、知識を身につけるものではありません。答えを求めるのでなく、問答で、考え方を導いていきます。
この本からも沢山の学びがあります。
幼児教育のことも書かれていました。
体罰という言葉だけですと問題になるでしょうが、この本にも書かれている報復であってはいけないのです。
上皇さまが、秋篠宮さまが子どもの頃、冬の寒い中、飼っていたペットを池の中にいれて、死なせたようです。
それを見た、上皇さまは、秋篠宮さまを池の中に投げ込んだようです。言葉で説明するのでなく、寒いということと、命の大切さを体験に
より教えられたのです。これが、躾ではないでしょうか。反対のご意見もあるでしょうが。
幼児期の体験が、人間形成をつくります。悪いことは、駄目と教えていかないといけないでしょう。
これを許すと、本の中にもありましたが、生徒が教師を殴ることが起きるのです。幼児期からの、家庭教育になんだかの問題があるのです。
私が教師時代(中学校)の1年目に、先輩の先生が生徒に殴られた事件がありました。見た目は、普通の子です。勉強も出来ます。
何故、そうなるか? 甘やかして育てているからです。勉強が出来ればいいと、一番大切な『人間教育』を家庭で教えられていないのです。
子どもは、悪くないのです。親がそう育てたからそうなるのです。親の責任です。
日々、「徳」をつむような人生をおくるように努力していきます。
もっともっと勉強もしないといけないです。
知らないことが沢山あります。
知識を入れるのでなく、物のいろいろな見方が出来るようにしていきます。
読書は、量より、質です。本を沢山読めばいいものでもありません。どんな本を読むかです。
この意味がわかるようになってきました。
質の良い本を読みますと、根っこが出来ます。
この根っこは、すべてに共通しています。
本との出会いにも感謝です。
清水店長と出合っていませんと、このような本にも出会えませんでした。